



キレッキレな味わいになる炭火焙煎
こんにちは、副店長です。もう何年も自家焙煎を続けておりますが、思い通りの焙煎になるとき、ならないときがあり、いまだ道半ばです。毎日いろいろな情報を集めたり、教えてもらったりして、色々試しております。
今回は炭火焙煎について書きたいと思います。なんでわざわざめんどくさい炭火で焙煎するのか疑問かもしれませんが、期待以上に良い豆が焼けちゃうからです。
炭火焙煎って昭和な匂いがするワードで、缶コーヒーとかインスタントコーヒーのキャッチコピーに「炭焼き珈琲」があった記憶があります。最近はあんまり言わなくなったし、目にしなくなりなっていません?
炭焼珈琲って何?って思っていたのはワタシだけじゃないと思う。を炭で焼くと良いことがあるのか?「炭焼」ってワードはなんか美味しそうな感じがする。炭焼鳥とか炭焼牛とかはイメージが湧くけど、炭焼コーヒー???
炭火で焙煎すると炭焼コーヒーって言うらしいけど、本当にそんなにめんどくさい方法で焙煎してるかどうかは疑問ではある。
炭焼珈琲も炭火焙煎も同じ意味のことばなので、ココでは炭火焙煎に統一しておきます。
ネットや友人からの情報ではありますが、炭火焙煎が結構なポテンシャルを持つ焙煎方法っぽいです。
炭火焙煎は火をおこす時間がかかるけど、炭火焙煎した豆は別格とな。別格といわれればやってみたくなりますよね。
実際炭火を使って手網焙煎したんですが、赤々と燃える炭の上で焙煎するとあっという間に焙煎できちゃいます。火力の強さによりますが、150gをシティローストまで焙煎するのに7分半ぐらい。
火力が強いので芯まで焼けていない状態や、煎りムラが心配なところですが遠赤外線による焙煎のためか芯まで熱が通っていないということはありません。でも煎りムラは出来ます。強い炭火で均一に煎ることは難しい。
ガスコンロで焙煎すると、炎からの熱気による対流によって熱が豆に伝わっています。熱い空気から豆という固体に熱が伝わるので熱が伝わりにくい。そのため焦げたりすることもないんだけど、熱の伝わる効率からするとそんなに良くない。
でも炭火は大量の遠赤外線が発生して熱が豆に伝わるので結構な速度で熱が伝わるってことらしい。
七輪でバーベキューするのと、ガスコンロの上で直接肉を炙る(あぶる)ぐらいの違いっていえば分かりやすいかな。熱の伝わる速度がぜんぜん違うわけです。
豆の美味しさを高温、短時間焙煎でギュッと閉じ込めちゃうって感じ。
炭火で短時間で深煎焙煎は短時間で処理すると豆の成分が残存しつつ焼き上がる。サンプルロースターで深煎りすると煙たい味わいになるけど、炭火で急速に深煎に焼き上げると不思議とうまくいく。
じっくりと遠火で時間をかけて焙煎する炭火焙煎をする方法もあるみたいだけど、炭火の良さを活かしていない。遠火で15分以上かけてじっくり焼いても面白みのない味に仕上がる。良い表現をすればまろやかな仕上がりってことになる。
理屈はここらで止めておいて、実際の焙煎手順を解説していく。
七輪で炭火焙煎
いちばん重要なポイントは、強力な炭火。
真っ赤に燃えた炭火を作ること。炭火焙煎のコツはコレに尽きると言っても過言じゃない。
煎りムラは許容し、真っ赤に燃えた炭の直上で遠赤外線焙煎するという確固たるイメージが重要。
あとは普通の手網焙煎と同じです。
準備するもの
- 手網
- 生豆
- 木炭(着火の良いもの)
- うちわ
- 七輪
- 軍手か革手袋
- 篩(ふるい)
炭は火力の強い備長炭やオガクズ備長炭よりも、着火の良いマングローブをたくさん使うほうが良いです。
焙煎時間は10分未満なので、最大火力までの時間が短いほうがいいですよね。練炭でも良いと思います。ワタシは安価な炭を使っています。
手網を真っ赤な木炭に近づけるために、七輪が一杯に木炭を入れています。
手袋は豆をチェックするとき、手網の蓋を開けるために必要です。焙煎中に蓋の開け締めをしないのなら不要です。
外で焙煎するので、冷却にフルイやザルはいらないかも。手網を火からおろして、片手にうちわを持ち、うちわで扇ぎながら、手網をシャカシャカ振ればすぐに冷却できます。
七輪焙煎の手順
- 七輪で炭をおこす
- 炭が真っ赤に燃えたら焙煎開始
- できるだけ炭火の近くで手網を振る
- 煎り止
七輪で火をおこす
焙煎に使う炭火なので、そんなに持続時間が長い必要はありませんね。
オガクズ備長炭など着火が難しく、持続時間が長いタイプは炭火焙煎向きじゃないです。着火がよくて火力も強い安価なマングローブ木炭がオススメ。大量に炭火を熾し、高火力にしましょう。
七輪いっぱいの炭が真っ赤になるように燃やしておきます。
焙煎
生豆を150gはかります。写真の豆はキリマンジャロです。
簡単にハンドピッキングします。意味があるかはよく分からいけど、石ぐらいは取り除きたいですね。
手網に150gの豆を入れて炭火の上で焙煎開始。
ここでポイントは、できるだけ炭火の近くで焙煎することです。
水抜きをしっかりするとムラが無くなるんですが、味も飛んでしまうのでやらないほうが炭火焙煎の特徴がいきてきます。
炭に近い方と高温なので、手網を振って、焦げないように豆を回します。
焙煎しているときは熱くないですが、豆の色をチェックするとき蓋を外すので、軍手や革手袋をしていたほうが良いかも。
ガスコンロよりも疲れます。(涙)
↑コレぐらい炭火の近くで、手網を振り続けます。
絶え間なくシャカシャカ振りまくります。
時々手網をひっくり返して、豆を動かしたりして、焦げないように注意です。
室外で焙煎するので、冷たい外気や風に当たり豆が冷えるので手網の上部をアルミホイルで覆うといいらしい。遠赤外線が反射して熱効率が良くなることも期待できます。
ワタシは、豆の温度が測定できなくなるのでアルミホイルで覆っていません。
6分03秒で1ハゼが始まりました。ガスコンロに比べ早めだけど、炭火焙煎のときは大丈夫。
手網上部の温度を赤外線温度計で測定したところ、1ハゼが始まった温度が160℃、1ハゼピークが165℃、1ハゼ終了時は171℃でした。室外で測っていますし、外気に触れた豆の温度なので参考程度ですね。
煎り止のタイミング
今回は2ハゼ開始直後に煎り止しました。終了時の温度は175℃、焙煎時間は8分25秒でした。写真を見てもらうと結構な煎りムラが出来ているのですが、強火なのでしょうがないです。
今回は冷却にフルイを使っていません。
外気が10℃と低かったので、蓋を閉じたまま外気に触れるように手網を上下左右によく振り、片手に団扇を持って急速冷却。
冷却終了後、蓋を開けたときにチャフは風に飛ばされてしまいました。(笑)
冬場なので時間がかかりました。ちなみにこの日の外気温は10℃。炭火焙煎は外気温に焙煎時間が左右されやすいですね。
炭火焙煎のまとめ
普段のガスコンロにくらべ、はっきりと味が変わります。明らかに酸味や甘味が強調されます。
炭火焙煎は強力な遠赤外線で加熱できるのですが、煎りムラができやすいようです。焙煎時間が長くなるほど煎りムラが減ってきます。煎りムラによって味わいが違うだけなのかもしれません。
炭火の調整は難しいし、外気温のによっても焙煎時間が変わるので、再現性という点では弱いですね。
遠火でじっくり時間をかけるという炭火焙煎もあるようです。ワタシもはじめは遠火でじっくり(20分以上かけて)焼いていました。遠火でじっくり焙煎すると、きれいに仕上がります。煎りムラは減りますが、風味が飛びます。クッキーみたいなやわからかい香りと味になります。酸味もふわふわしちゃって、面白くありません。コンロで焙煎したときとあまり変わりがないと感じました。
強力な遠赤外線で、迅速に焼き上げるほうが炭火が活きてきます。
あと、普段よりも深煎で止めると面白い。ガスでの焙煎とは違った味わいになっているはず。深煎なのに、甘みとコクが残り、良い苦味がキレキレに強調される。
プロが焙煎に近い深煎の焙煎になる。炭火焙煎のポテンシャルは未知数です。
炭火焙煎、癖になりそうです。
ココまで読んで頂きありがとうございます。


